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NEWS > 東ネパール登山隊2016 次世代へヒマラヤ登山を継承するために ――東ネパール登山隊2016が出発!

3年間の準備研究を経て、隊員たちの思いは未知なる頂へ

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Marsong-La から見たナンガマリⅠ峰(6547m)の南面

いよいよ、重廣恒夫隊長率いる「日本山岳会関西支部東ネパール登山隊2016」が、9月9日関西国際空港からカトマンズに向けて出発した。
帰国までの登山期間は約2カ月、出発まで3年間の準備をともに行なってき9名の隊員とともにナンガマリⅡ峰(6209m)からⅠ峰(6547m)への初縦走をめざす。登山隊は、これからカトマンズで準備をしたのち、約2週間のキャラバンを経てベースキャンプに入り、9月末から約3週間、本格的な登攀活動を行ない、登頂に至るという計画だ。
そもそも、本計画はネパールヒマラヤ研究の第一人者でもある、故大西保氏とともに2013年から準備研究を始め、2015年2月から「ヒマラヤ登山塾」と題して、ヒマラヤ登山の歴史などを辿りながら、これまで約30回以上にわたり、会議や机上講習を行なってきた。また、初めて顔を合わせる隊員たち同士のコミュニケーションの強化や登攀技術向上のため、岩場でのトレーニングや積雪期の穂高岳、富士山での高所順応などの合宿を繰り返してきた。

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大西保氏はネパール山域をくまなく研究。自ら隊長となって参加するはずも2014年に急逝した。写真はナンガマリの北西にそびえるPabuk kang(6244m)

「やはり、本当に難しい山は集団の力が大事で、チームとしてベーシックな能力が必要になると思います」と語るのは、チームで唯一の学生隊員でもありヒマラヤ経験者の森本悠介(26)さんだ。森本さんは京都大学山岳部に在籍し物理学を専攻する。「ヒマラヤに行くことは、スーパーマンでもない、アスリートでもない僕ら若い人間が、映画の主役になれるようなもの」とヒマラヤ登山の魅力について話してくれた。
また、今回の登山が自分自身の登山の集大成だと語るのは、装備係を務める黒田記代(63)さん。登山を始めたのは30代も半ばになってから、白馬大雪渓から白馬岳に登ったのをきっかけに、高山植物の美しさに魅了され登山に目覚め、10年で100名山を完登、いつかはヒマラヤに行ってみたいと、登山スクールなどを通してコツコツと確実にトレーニングを続けてきた。

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フィックスロープの通過やアッセンダーを使った登高技術やビバーグ訓練など無雪期、積雪期を問わず、何度も合宿を行なってきた。

当初、登攀隊長にはヒマラヤ経験者を予定していたが、諸般の理由で参加できなくなり、急遽抜擢されたのが26歳の岩井賢助さんだ。岩井さんは、ヒマラヤ登山の経験はないものの、会社を辞めて屋久島に移り住み、シーズンには富士山でのボッカなどをしながら今回の登山隊に参加。
「登攀隊長という自分の役割は、とにかく先頭を行け! ということだと思っています。周りが止めるぐらいの勢いで一番前を歩いていきたい」「そして、いずれは重廣さんがいなくても自分たち自身でヒマラヤに行けるよう、すべてを吸収してきたい」とこの登山に賭ける意気込みを語ってくれた。

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富士山での高所順応やビバーグ訓練など、出発直前までトレーニング合宿は続き、隊のチームワークとコミュニケーションはより強いものとなった

登山隊の目的は、すべてお膳立てされた近年の商業的ヒマラヤ登山に対し、参加者自身が模索し準備するという、日本山岳会がこれまで行なってきたヒマラヤ高峰登山の伝承が目的でもある。
参加する隊員たちは、いずれもそのバトンの重みを感じ、自分自身のためにも、そして次世代のためにも、この登山に期するものは大きい。ここでは紹介しきれなかったが、話を聞いた隊員たちいずれも口にそろえて言うのは、
「これで終わらず、次につながる登山にしたい」ということ。
もちろんこのたびの登山に全身全霊を賭けて集中しているのはもちろんのこと、隊員一同が、その先の未来をもしっかりと見据えていたのがとても印象的だった。
出発前に花束を渡された重廣隊長は「両手に感じる花の重さに、頂上に立ちたいという隊員の想いを受け止め、いかに安全に頂上に到達させ、元気な姿で戻ってくるという責任を再認識した」と、隊員らと共に旅立っていった。帰国は11月8日の予定。

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9月9日に関西国際空港を元気に出発した隊員たち。登頂して元気に帰ってきてほしい。

ホグロフスでは、今回の登山隊の現地からのリポートを随時ホームページでアップしていく予定です。
ぜひ、応援のほど、よろしくお願いします

今までのレポートはこちらから


日本山岳会関西支部東ネパール登山隊2016
East Nepal Expedition for KANSAI of Japanese Alpine Club2016

【スケジュール】

9月9日出発〜11月8日帰国(ポストモンスーン)

【隊員】

隊長: 重廣恒夫(68歳) 関西支部
登攀リーダー: 岩井賢助(26歳) 四国支部
食料: 加藤芳樹(49歳) 関西支部
装備: 黒田記代(63歳) 関西支部
輸送: 竹中雅幸(26歳) 関西支部
医療: 立野里織(39歳) 関西支部
会計: 長瀬美代子(38歳) 四国支部
食料: 松仲史朗(63歳) 関西支部
記録: 茂木完治(68歳) 関西支部
通信: 森本悠介(26歳) 京都大学山岳部